ボルドー赤がいまクールで新しいわけ

いま、世界の最先端を行く、もっとも新しい赤ワインのひとつがボルドーなんです。
こんなふうに聞くと、もしかすると、ハテと思われるかもしませんね。
「クラシック」、「渋くて重くて飲みにくい」、「高級」……こんなふうにボルドー赤のことを感じていませんか? ボルドー赤は今日まで何百年にわたって世界最高のワインあり続けていますが、それがこうした「とっつきにくい」イメージを生んできた面はあります。しかし、そんな時代は過ぎ去りました。
今日のボルドーでは、若い世代の造り手たちが、こうしたイメージを根底から覆すような斬新で新しい赤ワインを、続々と産み出しているんです。では、ワイン世界のフロントラインを疾走する、クールで新しいボルドー赤とは、いったいどんなワインなんでしょうか?!
太古の昔から、ボルドー赤はつねにモードの最先端でした。なぜかって?
世界の頂点に君臨し続けてきたこのワイン産地は、単に品質の高いワインを産するだけでなく、時代時代の流行や要請に応じて、常にフレキシブルにその姿を変化させてきたからです。
コアの部分、すなわち比類なきクオリティこそ岩のごとく動きませんが、モードにフィットしていく現代的な感覚こそが、ボルドーワインを世界の王者たらしめてきた真の秘密だと言ってもよいでしょう。
今日また、ボルドー赤がいっそうの進化を果たしてトレンドの先端に躍り出たのは、次のような時代背景に、ぴたりと我が身を合わせてみせたからです。
まず、食生活のライト化。フランス本国はもとより、世界中で人々は重たい食事を取らなくなりました。だったら、合わせて楽しむワインだって、そのスタイルを変えねばなりません。
次に、一部のボルドー産超高級銘柄の価格高騰。大人気、おおいにけっこうなのですが、市場原理に応じてお値段がずいぶん高くなってしまいました。だから、普段から楽しめるコスパ最強のレンジが、いっそう人々に近づき、手にとってもらいやすい姿に衣替えする必要があったのです。
そして、ワイン情報が伝播するチャネルの変化。一昔前までは、「権威」としてあがめられるワインの専門家が下す銘柄評価が、神の託宣のように紙に刷られ、愛好家たちを動かしていました。しかし、いまではボーンデジタルの世代が消費を牽引するようになり、SNSを通じた情報拡散によって注目ワインの情報が伝わっていく時代に。
かくして、ひとにぎりの高級エリート銘柄を、富裕層が飲むのがカッコいい時代が終わり、よりクールなワインが人気を博するようになったのです。
最後に、世界がより環境に目を向け、持続可能な開発を目指すようになったことも、重要な時代背景でしょう。
では、新しいボルドー赤とは、いったいどんなワインなのでしょうか?!


モダン・ボルドーは、持続可能なワインなんです。

カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、
カベルネ・フランという3つのぶどう品種が有名ですが、最近では「オルタナ系」も増えています。
すなわち、プティ・ヴェルド、カルメネール、マルベックの3者。いまだ比率としては小さいですが、過去20年で栽培面積が倍増しました。
いずれもボルドーの古い品種ですが、地球温暖化が進む中でふたたび脚光を浴びるようになったのです。これらの品種を100%使った赤もあります。


さまざまな側面で革新が図られているのですが、そのひとつが熟成容器の多様化です。
ボルドー赤といえば、伝統的にオーク小樽、それも新しい樽を使うのが決まりのようだったのですが、今日その選択肢は多彩そのもの。コンクリート、素焼き粘土の容器や、オーク樽でも容量の大きいものが、活用されるようになってるんです。
それがスタイルの多様性にもつながっています。

百聞は一飲にしかず、まずは試してみて、
新たな息吹に満ちた最先端を体験してみてください!!
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